「こまちの読書感想文」の記事リスト

2012年12月16日

バカになればいいんだよ。

こんにちは。こまちです。
町はそろそろ、クリスマスカラークリスマスに染まってまいりましたね。

最近広大CARPのみんなは中間テストで忙しそうですが、文学部のこまちさんはそんなものどこ吹く風晴れなのであります。

なので、この時間を利用して少しでもCARPに貢献したい!手(グー)と思いまして、記事を書くことにしたしだいです。


というわけで、今日は皆さんお待ちかねのこまちの読書感想文本をお送りしたいと思いますダッシュ(走り出すさま)




今回ご紹介するのはこちら。

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『奇跡のリンゴ』(石川拓治著)


この本については、以前このブログでもみどりさんが触れていましたよね。
あらすじはここでご確認ください!
みどりさんの記事


「絶対不可能」と言われたリンゴの無農薬栽培を、8年にも及ぶ試行錯誤の末に実現した一人の男の物語。



いや、感動でした。本当に。



一応「8年にも及ぶ」って書いているけど、本当は木村さんの苦労ってそんなものじゃないんですよ。
リンゴが世に認められて、本当にちゃんと生計を立てていけるようになるまで、実に10年近くも苦労しているんです。




挫折に次ぐ挫折周囲からの冷たい目終わりの見えない極貧生活・・・・
木村さんの大きな夢の前に立ちはだかる現実は、あまりにも厳しいものでした。





それでも、木村さんは、挑戦することをやめませんでした。
やめられなかった、と言ったほうが正しいのかもしれません。

ここで自分が諦めたら、もう誰もそれをやろうとはしない。
自分が諦めるということは、人類が諦めるということなのだ。

そんな思いに突き動かされて、木村さんはリンゴの無農薬栽培という夢にしがみつき続けます。




そしてついにすべての希望が尽き、本当のどん底に突き当たった時、木村さんはある不思議な体験を通して、一つの答えにたどり着くのです。



その「答え」が何だったのかは、この本を読んで確認してもらうとして。




それにしても、木村さんという人はすごい。本当にすごいんです。
読んで下さればわかるんですが、自然だとか、人生だとかに対する考え方や、向き合い方が全然違う。
木村さんの言葉には、はっとさせられることが多くあります。
しかもそんな数々の名言を口にしておきながら、本人は何を言ったかよく覚えていないというこの、超越しちゃってる感。




そして、見てくださいこの満面の笑顔左斜め上
見てるこっちまで元気が出てきます。
これがあの、地獄のような日々を通過してきた人の顔だなんて到底思えない。



でも、読んでると、その苦労があったからこそ、木村さんはこんな風に笑えるのだなあということが、しみじみわかってくるんです。





「バカになればいいんだよ」
と、木村さんは言います。

バカになるって、そんなに簡単なことではない。
でも、つらくて苦しくて、どうしようもなくなったとき、死ぬくらいなら、その前に一回はバカになってみたらいい、と。

「ひとつのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合うことができるんだよ」、と。



本当にその通りの人生を歩いてる方だな、と思います。



私たちはと言えば、何かを始めても、なんどか壁にぶちあたればすぐに投げ出してしまうことがほとんど。
そもそも、たいていは
本当にその答えを見つけたい!!
死んでもそれを成し遂げたい!!

という、信念というか、強い思いがないですからね。





でも、せっかくの人生。
本当にこれだけは譲れない、と思える何かひとつのことに、一度くらいは死ぬ気で取り組んでみたいじゃないですか。




そういう経験をした人じゃないと絶対に見えない世界があるのだと、木村さんの物語は教えてくれます。


月明かりに照らされた「リンゴの木」の葉の輝き。
8年ぶりに咲いたリンゴの花の美しさ。
たった2つだけ収穫できたリンゴの、美味しさ。



そんな世界を私も見てみたいなあと思わされました。




みなさんには、
人生をかけて取り組めるひとつのことがありますか?





そのひとつをみつけて、バカになること
これができれば、誰もが木村さんのような、素晴らしい景色を見ることができるはずです。




ぴかぴか(新しい)バカになれる人生ぴかぴか(新しい)を、私たちも歩みたいものですねかわいい






というわけで、こまちの読書感想文第3回でした。
いつもながらの長文を読んでくださってありがとうございます。
まだこの本読んだことないって方はぜひ読んでみてください。

ちなみに言うと、このお話2013年に映画化されるそうです。
こちらも大注目ですね!
posted by 広大CARP at 01:33| Comment(4) | TrackBack(0) | こまちの読書感想文 | 更新情報をチェックする

2012年10月20日

一粒の麦

こんにちは。
最近ご飯がおいしすぎてこまっているこまちです。


毎年秋になるとお米のおいしさを再発見します。
さすがは食欲の秋
自然の恵みにあらためて感謝ですね。

天高く馬肥ゆる秋
食べすぎにはくれぐれも注意しましょう。





さて、今日はしかしご飯の話をしに来たのではないのですダッシュ(走り出すさま)
秋といえばもうひとつ忘れてはいけないのが読書の秋
というわけで、今回はこまちの読書感想文ぴかぴか(新しい)第二回を書こうと思います!



今回ご紹介するのはこちらです。
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『塩狩峠』(三浦綾子作)



有名な話なのでご存知の方も多いかと思います。
この物語は、主人公である永野信夫の生涯を追うという形で進んでいきます。


―――永野信夫は、明治十年、東京に生まれた。母親は自分を生んですぐに亡くなったと聞かされていたが、祖母であるトセに厳しくも愛情深く育てられていた。
しかし信夫10歳のとき、あるきっかけでトセが急死し、彼の生活は一変する。
父である貞行が、亡くなったと思っていた信夫の実の母・菊と、実の妹に当たる待子を家に連れてきたからである。
実は、キリスト教信者であった菊は、信夫が生まれたばかりの頃、耶蘇教嫌いのトセによって家を追い出されていたのだ。
母と妹を愛しながらも、二人の信じるキリスト教に反感を覚える信夫。
さまざまな思いや悩みを抱えながら、信夫は成長していく。
23歳になった信夫は、友人吉川の勧めで北海道に渡り、鉄道会社に勤めるようになる。
そこで、キリスト教者である吉川の妹・ふじ子の生き方に触れ、また町で出会った宣教師の言葉に衝撃を受け、初めてキリスト教と真剣に向き合う信夫。
やがて敬虔なキリスト教徒となった信夫は、職場にとっても教会にとってもなくてはならない存在になっていくが…―――




作者の三浦綾子さんはキリスト教徒で、他に『氷点』なんかも書かれています。
この『塩狩峠』は映画化もされており、衝撃と感動のラストはかなり有名です。
しかも、この物語が北海道で実際におこった鉄道事故から着想を得たものであり、つまり実話をもとにして書かれているということも、大きな反響を呼びました。



私も、このラストについては聞き知っていたのですが、やはり衝撃でした。

愛と自己犠牲。

自分の幸福の一切を捨て、他人のために身を投げ出す。

もし自分だったら、そんなことができるだろうか…

ありきたりな問いについて、ごちゃごちゃ考えてしまいました。



うーん。
自分一人の命で、多くの人の命が助かるんなら、それは申し分ない。
名誉ある死って感じするし。
だけど、いざとなったらできない気がする。
だって自分が犠牲になることで本当にみんなが助かるかどうかわかんないじゃん。
もし失敗したらかっこわるいじゃん。
なんか、他にいい方法はないのかな。確実に成功して、かつだれも死ななくていい方法。
ってそんなこと考えてる間に手遅れになっちゃうか。



…たぶん、信夫は、何も考えていなかったのだと思います。
自分は犠牲になれるとか、なれないとか、そういう問題ではもはやなくて、ただ救いたいという思いだけがあって、その方法として自分の命を捨てる道が見えたから、迷わずその道を選んだ。
それだけだったのだと思います。




相手のためなら、自分のことも忘れてなりふり構わず飛び込んでしまえるその強さを、私も持てるようになりたいと思いました。




「一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん、
 もし死なば、多くの実を結ぶべし。」



文庫版の扉には、こんなキリスト教の聖句がのっています。



主人公の信夫も、もとからそんなに強かったわけではありません。
むしろこの物語の大半には、信夫の悩みや葛藤がつづられています。
彼から迷いが消えたのは、それまでずっと拒絶していたキリスト教を受け入れたときでした。
人生の軸となるべきものを得たからこそ、信夫は強さを手にできたのだと思います。





だからと言って
「悩んでいる人はみんなキリスト教徒になろう☆」
ということが言いたいんではなくて。

重要なことは、そういう悩みや葛藤から、信夫が逃げなかった、ということなんです。



自分の生き方にかかわる問題であったりとか、物事の本質についての問いっていうのは、
答えなんて出なくても、なんとなく生きていくことくらいならできるから、
そんなこと考えもしない人が多いのです。

あるいは考えても、たいていの人は答えが出ないと言って投げ出して、自分の中に違和感を抱えたまま生きていくのです。



そんななかで信夫は、求めることをやめませんでした。
だからこそ、一つの答えに行きついたんだと思います。



信夫やふじ子の生涯は、作者である三浦さんに重なるところがあるといいます。
三浦さん自身も、きっと多くの悩みや葛藤を乗り越えてきたのでしょう。



考えただけじゃ答えが出ないことは、私のまわりにもたくさんあります。
そういうことと向き合い続けるのは、確かに苦しいんだけど、
それでも求めて、求めて、求めて続けていった先にある答えにたどり着けたら、
きっとゆるぎない強さを持った一粒の麦に、なれるんじゃないか、と思うのです。





というわけで、こまちの読書感想文第二回でした。
長文を全部読んで下さった方、ありがとうございますかわいい
機会があったらこの本、ぜひ読んでみてください

posted by 広大CARP at 20:16| Comment(4) | TrackBack(0) | こまちの読書感想文 | 更新情報をチェックする

2012年06月22日

与えても、与えても

こんにちは。おひさしぶりです。
中間レポート&発表地獄からやっと解放されましたこまちでするんるん

今日はちょっとがんばって更新しようと思ってます!グッド(上向き矢印)グッド(上向き矢印)


なぜかというとですね。
実は今回から新企画を立ち上げることになりまして。
その名もぴかぴか(新しい)こまちの読書感想文ぴかぴか(新しい)です。


広大CARP随一の読書量を誇るこまちさんが、いろんな本を読んで感じたことや思ったことを書き綴る、という企画なんです。


なんと原研代表のひゅーまさんから、新しくカテゴリを立ち上げる許可もいただきました!""ハ(≧▽≦*) パチパチるんるん

てゆーかまあ、お気づきの方はお気づきだったかと思いますが、カテゴリ自体はだいぶ前からできていたんですよね。更新する時間ないのに気持ちばかりが先走りまして。
何これ記事ないじゃんと思われていた方、お待たせいたしました。


というわけで、さっそく行ってみたいと思います!
記念すべき第一冊目は…オーっ
ババン
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『おおきな木』 (シェル・シルヴァスタイン作・絵、ほんだきんいちろう訳)


大きなりんごの木と、ちびっことのお話です。

―――りんごの木とちびっことはなかよしで、いつも一緒にあそんでいました。
ちびっこは木が大好きで、だから木もとてもうれしかったのです。
しかし時は流れ、ぼうやだったちびっこは大きくなり、木のところに来なくなっていきました。

ある日、大きくなったぼうやが久しぶりに木のところへやってきました。
木は喜んで、いつものようにあそんでおいきといいますが、ぼうやはいいます。
「かいものがしてみたい。だからおかねがほしいんだ。」

そんなぼうやに、木はりんごをすべて与えます。

その後も時折やってきては家や船をほしがるぼうやに、木は自分の枝も、幹も与え、ついには切り株になってしまいます。―――



この絵本の原題は"The Giving Tree"。
その名の通り、ただただ与え続ける木のお話です。


普通に考えたら、この木めっちゃかわいそうなんですよ。
大好きなぼうやに忘れられ、やっとまた来てくれたと思ったらたかられ、ついには自分のすべてを失ってしまうんですから。
きっと私ならお金を無心しに来た時点でキレます。

でも、そうじゃないんですね。

「木は それで うれしかった。」

木が自分の身を削ってぼうやに与えるたびに、出てくる言葉です。

枝をすべて切り取られても、幹を切られてただの切り株になっても、大好きなぼうやのためならうれしい、というんです。


……………








木ぃぃいいいい!!!!
おまえってやつは… 。・゚・(*ノД`*)・゚・。










訳者である本田錦一郎さんによるあとがきには、「愛とは第一に与えることであって、受けることではない」というエーリッヒ・フロムの言葉が引用してあります。


与えても与えても、まだまだ与えたいし、それも喜んで与えたいのが、本当の愛なんだなぁと思わされました。


しかし今の世の中、そんな愛がなかなかないのも事実。
最近のドラマやら小説やらに、「愛」と名のつくものはあふれているけど、そういうものはえてして、ただの好悪の感情だったり、自己中心的な欲望だったりします。(全部が全部ってわけじゃないですけどね)
それは現実世界においても同じです。
そしてたぶんそのために、男女の間や親子・家族の間で、悲しい事件が多く起こっているんだろうと思います。


私自身、誰かのために純粋に何かをやってみようとしても、どっかで見返りを求めてしまったり、自分が満足するためにやってしまったり、ということばかりです。


無償の愛って難しい。

でも、この木のような愛がこの世にまったくないってわけではけっしてなくて。

自分たちを育ててくれた親の愛ってやっぱりこういうものなんだろうなあと思うんです。

たしかに、最近は子どもを愛せない親もふえてますけど、少なくともこうやって自分が比較的元気にここまで育ってくることができたという事実だけでも、親の無償の愛を信じることができるんじゃないかと思います。

だって子供って相当手かかりますよ。お金もかかるし。いらっとすることいっぱいするだろうし。

親ってすごいなと改めて思った次第でありました。


みなさん母の日・父の日にはちゃんとおうちの方に感謝の気持ちを伝えましたか??
まだのひとはこの機会(どの機会)「ありがとう」と言っておきましょう!!ぴかぴか(新しい)



あ、この本ももし機会があればぜひ読んでみてください。
ラストもめっちゃいいんです。


というわけで、こまちの読書感想文第一回目でした。
いっぱい書いたなあ…ε=(‐ω‐*)
それではまた近いうちにかわいい
posted by 広大CARP at 15:28| Comment(5) | こまちの読書感想文 | 更新情報をチェックする